終末に向かう探求
離脱

終末に向かう探求

　人の精子って私の記憶違いでなければ０．０５mmくらいの
大きさで、それが卵子と結合するとヒトの一生が始まるわけで。
　カエルの精子からはカエルが、クジラの精子からはクジラに
なる正確な情報がつたえられていくわけで。
　ほんの小さな、顕微鏡でなければ見えない世界に、ヒトの
一生をつかさどるプログラムが詰まっている。
　それは自爆型の、というか自己展開型の＊．ＥＸＥファイ
ルに似ていると私は思います。何と壮大なプログラム！
　同じように言えるとすれば、私たちの思考や感情や記憶は、
脳における電気信号や情報伝達物質の流れに過ぎないので
しょうか？
　私は、ある日目覚めると、私の今日までの世界観や認識が、
すべて夢のようなもので、実は死ななくていい永遠の存在
だったと新たな正しい認識に導かれることがないかなぁと
夢想することがあります。

さて、目の前に、ある恐竜展で買ったアンモナイトの化石が
あり、その台紙に１億５千年前という文字があります。この貝が
海底を動き回っていたのは１億年以上前です。そしてＣＵ−
ＳｅｅＭｅでＮＡＳＡのリフレクタ−で見るこの準星の光は
数十億年前に、その天体を出発したものが今私たちの目に入って
いるわけです。
私たちは、ほんの狭い生活空間と１００年にも満たない一閃の
光のような時間生きるといってなんだかおおきな拡大鏡を通して
自分の一生を見ているような気がするのです。
生きている、生きていたって思っているだけかもしれない、
神様が顕微鏡を通して覗くとシャ−レの上でうごめくウイルス
ほどの存在かもしれない。
人間の心や生命といっても、目の前のコップと同じ物質に過ぎ
ない。ただ複雑の最末端に属する高分子化合物に過ぎない、
ＤＮＡというものは。

　自分の意志で生きてるって実は何かのプログラムによって
「自分」が操られているだけかもしれない。そして生まれ落ちた
その瞬間から「プログラムされた死」の時限スイッチのタイマ−
の秒読みが始まる。（参考「プログラムされた死−生命現象の
パラドックス」岩波書店「老化−ＤＮＡのたくらみ」）
　ものの本に依ると遺伝子工学が進み、遺伝子のレベルで
死のメカニズムが解明されれば死をコントロ−ルする技術を生み
出す可能性はあるといわれる。
　しかし、しかしそれは私が死ぬまでにできることでは１００％
ない！
　ずいぶん先のむなしいお話です。 〜とんびさんのメールより

　自分がなにものであるかを知るために、そしてどこにいるの
かを知るために、研究というものをする大勢の人間。その彼ら
が、人間にとっては長いといえるひとしきりの時間をかけて、
遺伝子を発見し、何十億光年もの先を見ることすら可能にして
きた。
　そうして、発見すればするほど、知れば知るほど、考えれば
考えるほど、自分がいかに小さく、一瞬の生き物であるかに気
づくことになる。

　私は、年をとるにつれて本当の自分がわかってきたような気が
する。逆に、自分がどんな人間であるかを思う度に、さらに年を
とったのだなということにも気づく。
　そんな風に、人類が人体や宇宙について追求していくほど、
いかに自分たちが終末の位置にいるかを知ることになるのだろう。

離脱

　人なんていうものは、生まれてきたときから、どうやって
死んでいくかが、人生を生きていく上での、最大のテーマだと
思っています。いくら、途中を楽しく生きていたとしても、
死ぬときに、損をしたくありません。
　でも、死なんていうものは、いつやってくるかもわからない
もので、そんな事にヒヨヒヨしているより、思いっきり、人生を
楽しみましょうよ。今から先の事なんか、誰にも分からないの
ですよ。
　せっかくの、限られた命です。どうせなら、楽しく行きま
しょう。 〜Dr.三ちゃんさんの投稿より



　あなたがなにをやっている人かは知りませんが、きっと若い人
なのでしょう。私も15歳位の時に毎日同じ様な事を考えていま
した。しかし29歳となった今ででは、当時よりぐっと終焉に近
づいたわけですが、死のことを考えても胸が苦しくなったりしま
せん。
　何故か。それは、きっと色々なことを経験したり、現在の生活を
守るために精一杯生きているからでしょう（当然独立している）。
あなたが今、親元にいて年も若いのであるならば、この様に考える
のは普通でしょう。「はしか」みたいなもんでしょう。
　もしあなたが、年は若いが独立していてこの様なことを考えるの
なら、真剣に生きているのでしょう。
　もしあなたが、私と同じ年で独立しているのにこの様なことを
考えるのなら、もっとなにかに打ち込むべきだ。そんなことを
考えているのはただのエゴイストにほかならない。
　もしあなたが、年寄りなら、暖かい家族が周りにいらっしゃら
ないのですね。
　でもインターネットでホームページをつくれるほど精通して
らっしゃるのだから、終焉までを熱く生きてください。
〜サラリーマンさんの投稿より



誰だって死にそこなうことはない、みーんな間違いなく死ねるのだ。

　小さい頃は死ぬ事を考えると恐くてたまらなかったが、
今（４９歳）はほとんど恐くない。
　しかし、夫や、自分の親、さらには夫の両親を残しては死ねない
気がする。皆から頼られていると思っているから。しかし、単なる
自分だけの思い過ごしかもしれないが。 (~_~;)
　しかし、死ぬ時痛い思いをするのはゴメンだ！ 今でも注射が
恐いのだ。死に臨んで延命のため痛い思いをするなんて考えた
だけでも、いやだ。
　もし、仮に貴方は絶対に死ねないなんていわれたら、考えた
だけでも恐いよ！！！　ずーっと、ずーっと、生きつづけなければ
ならないなんて、いやだよー。別に今が不幸だなんてこともないよ、
それなりに夫と楽しく過ごしているよ。死ぬのが恐いなんてーーー
ケセラセラよ。 〜松尾ゆきさんの投稿より



　死は、全ての欲望を消し去ってくれる瞬間。苦しみから開放して
くれる瞬間。あるのは、清浄な汚れのない美しい世界。ただただ
歓喜あるのみ。仏教徒は究極の境地として涅槃という言葉を使う。
全ての煩悩から解き放たれるのです。生き物としてどうしょうも
ない性（さが）とおさらばできる瞬間なのです。
〜Ｓｈｏｋａｎさんの投稿より


　非常に疲れすぎているとき、金縛りにあうということが確かにある。
　体は思うように動かないけれど、少なくとも目で見て知覚する部分
だけは機能している状態。

　生死の境をさまよったという人の話の中に「私は非常に高いところ
から、自分の体を見おろしていた」というようなものがある。
　その人の目は、依然下にある体に取り付けられたままなのに、
いったいどんな目が自分の体を見おろしているのか。

　金縛りにあうそのとき、自分の意識と体の位置が少しずれるような
感覚に陥る。大脳のあたりにあるはずのものが、頭蓋骨のうえに
抜けるような感覚。しかし、このとき、私の目は肉体の方ではなく、
あたかもずれてしまった意識の顔についているかのようだ。
　また、ついうたた寝をして、考えごとをしていたのか夢を見て
いたのかわからない状態から、はっと目が覚めることがある。この
とき、どこかにあった意識が体に戻ってきたという感じがする。
　それは、間脳と大脳のバランスが尋常でなくなったときの、ちょっと
した錯覚なのだろうか。