思い残すこと
永遠というもの

思い残すこと

　死ということに関しては、昔はよく考えたものでしたが、今は
あまり気にしていません。発作ですか？　ないですね。どうせ
死ぬのだったら楽しく生きなくては。

　実は私、事業に失敗しまして、数百万円ほど借金を抱えて
しまったのです。事業に失敗して数百万円じゃ、どうってことない
ですよね。でも世の中には、それだけで命を捨てたり、一生を棒に
振る人もいるのですから、不思議なものです。
　ま、全ては考え方次第。死を終点と見るか、それともゴールと
見るか、それだけの違いです。

　死は恐れることはないと思っています。大切なのはどう生きて
きたかということ。例え翌朝冷たくなっていたとしても、例え
一週間後に車に跳ねられたとしても、今を一生懸命に生きていると
いう実感さえあれば、いつ死んでも構わない。

　事業に失敗し、借金を作ったことが、私にとって生きがいを作る
ことにつながりました。つまり、今度は成功する、という目標が
できたのです。目標ができれば、後はそれを実現するだけです。
本気で実現する気があるのなら、一日一日が充実するのは当然の
ことです。例え実現できずにこの世を去ることになったとしても、
悔いは残りません。

　昔、ある人が亡くなる時に言った言葉が頭に焼き付いています。

　未練はあるが悔いはない！

　私にとって恐いのは死そのものではなく、悔いを残したまま
死んでいくこと、つまり充実した人生を送ることなく死んでしまう
ことです。今私には大きな目標ができました。この目標の実現に
向かって日々を過ごしていく限り、私にとって死は恐いものでは
ありません。 〜荻窪健一さんの投稿より


　死について深く考えられるようになったのは、一度、冗談半分で
遺書を書いてからです。それまで漠然としていた死生観を、少しは
具体性をもって客観的に考えられるようになりました。
　死んだ後のことは今は想像でしか判断できません。
　わたしは、死という何も分からないところからくるドキドキの
恐怖感より、むしろ、どないなことになんねんやろ〜？　という
ワクワクの期待感のほうがやや大きいですね。
　でも今は、まだまだ生きてるうちにしかでけへん（たぶん）
やりたいことがたくさんあって、死ぬには惜しい段階ですね。
〜宮本琢也さんの投稿より


　もしもいま、「あと２４時間以内に私は死ぬ」ということが明確に
なったとしたら、非常に困る。やり残したことがたくさんになるから。
　これからやりたいことが、私にはたくさんある。とくに、子育てや
主婦業から解放されたらやろうと思っていることが、実にたくさん
ある。だから、この一年か二年で死んでしまったら、やりたかった
ことをやりかけもしないで死ぬことになるのだ。
　そうしてまた、今日や明日に遺書をしたためて死んでしまったと
しても、死者の生前の意向がいったい何割ばかり聞き届けられる
ものだか。

　幸い私は大きな病気にもかかっていないし、普通に気をつけて
暮らしていれば、まだまだ何年も生きられる可能性は高い。
　そして、「死にたくない」と思い詰めている状態で何年も生きて
行くつもりはない。この一秒一秒を大事に生きていく一年が私の
一年であり、十年が私の十年だ。
　それなのに、「いまの一秒」はあっという間に「さっきの一秒」に
なってしまう。「いま」というものがどんどん流れて私の後ろに
行ってしまう。「いま」の流れを堰き止めようともがけばもがくほど、
ますます何もできないまま時間だけが過ぎていく。
　こうして、私はどんどん焦り、あたかも自分がこのまま何もしない
状態で、いますぐにも何十年後かの死を迎えるかのような錯覚に陥る。
　残りの何十年かが、このような不毛な一秒にただ１０億や２０億を
かけただけのものならば、あと何十年生きようが、せいぜい明日
死ぬのと同じくらいの「残り」だ。

　このあせりは本物で正当なように思います。
私たちは「一秒」にさえ遅れているのです。
「今」に一致すれば、何か少し違うようです。
〜clomaさんのメールより

永遠というもの

やっぱり、死ぬのって、怖かったよなぁ。
って、過去形で書いたけど、うん、たぶん今も怖い。今日死ぬの
やだもん。でも、昔ほどその怖さにリアリティがなくなったのは
なぜだろう。
たぶん、昔に比べて、感受性が鈍くなったせいだろう？
そんな簡単なもんなのか？
でも、的外れじゃなさそうだなぁ。

『死』と比べて、それにまさる恐怖はないはずなのに、もっと
別の何かを恐れてる。
う〜ん、他に怖いものがあるってことは、感受性の問題だけじゃ
ないか。
まてよ。これは、質的な問題ではなくて、量的な問題なのか！？
一生の最後に一回だけしかない究極の恐怖より、日常頻繁に顔を
出しうる恐怖のほうがよっぽどヤバイぞ！ってことか？
そうかもしれないなぁ。
『死』を怖がっていられるほど、のんびりとした、もしくは安定
した生活を送ってないってことか？
それはそれで、すごい怖い。

じゃ、生まれ変わるって、どう？
これは、怖い！！
死ねないのは、死ぬより怖い！
やだよ、永遠なんて。
なんか、すごい抽象的だけど、自分の立ってる足元がすんごい
遠くて、ほんとに立ってるのかすらわからない状態でいるような
感じ？　そのうえ、自分の目の上（つまり頭ね）が、どこまで
とどいてるのかわからないくらい長いの。
自分がどこにいるのかわからない、自分が自分なのかもはっきり
しない、そんな感じ。
死ぬのは怖いけど、一回ですむならそれでいいやと思う。
〜重城貴之さんの投稿より


　この人の怖さの表現はかなり的確なのだろうと思った。
多分本当に意識がそんな風に長くなっているのだろう。
生きている、「居る」と認識する事の怖さには何だか
わからない「死」の恐怖なんてかなわない。
　実は、安寿さんの「死」の恐怖も「存在」の認識の
恐怖がその背景にあるに違いない。「いきている」という
認識があってはじめて「死」などと言う事を考える。
〜clomaさんのメールより

　永遠は怖い。
　私が死を恐れているのは、永遠が怖いからに相違ない。
　永遠に生きるということも、死んでからの永遠の時間も、それが
永遠だから怖い。
　「長い」というのも陳腐なほどの永遠の中に、私の人生は一つの
小さな点のように浮かんでいる。そのことを思い知ったうえで、
それでも私は自分の人生を表す点の外部に存在することは不可能
なのだ。

　時間は、私が死んだあとも当分の間流れ続けるだろう。そうして、
やがてはその時間さえもが停止してしまうのだろうか。それとも
無限に流れ続けるのだろうか。
　いずれにしても、私が戻ってくることはないのだけれど。

　絶対戻ってこないと言い切れないところがもっと恐い。
　記憶のあるなしはともあれ赤ん坊から遣り直し？
　これは堪らない。拷問だ。
〜clomaさんのメールより