あの人が別れにくれたひとかごの
前の句が字余りのまま完結しているので、後から
つける身には悩ましい所ですが、恋人からもらって
家で独りむなしく「今日こそ」と思いつつも、
渡せなかった指輪をかごの横に置いて松茸を見つめて
いる男の後ろ姿かな。
それとも、何かの事情（喧嘩とか、一方的にふられたか）
で恋人と別れてしまい、別れる前に「今度一緒に
食べようね」とか何とか言われて貰った松茸を独り
むなしく見つめてながら、とても眠る気になれない
失恋男の姿かも。（かなり話つくってますね）（あおば）
そこまでしてくださったら本望です。（安寿）
■選外佳作■
長き夜にベルならしては受話器置く
もうかけまい、独り身になったのだから。
そうは思ってもふと寂しくなる夜。
指先が覚えた番号、かけては受話器を置く私がいます。（秋桜）
突然何かの電話番号を思い出してしまい、「あれ？ どこの
番号だったっけ」と思うことがある。それがかつて何度も
かけていたはずの番号であることを思い出し、焦りながらも
苦笑してしまうことがあります。（安寿）
温かき鍋今は思い出
一人暮らし、鍋を囲むこともなくなりました。
鍋はともに楽しむ人がいておいしいもの。
一人鍋もまたいいかもしれませんが・・・。
ちょっと感傷にひたってしまいました。（秋桜）
家に小さな子どもがいると、危なくてなかなか
鍋料理はできないのですが、ふと「きょうは下宿生同士
集まっておでんパーティーするねん」と言ってた
学生時代の友人のことを思い出しました。
鍋料理、何年待てばできるかな。（安寿）
咳しても頬杖ついても長い夜
自分のため息で深夜の静寂の中、ふと我に
返ったりして。時には一晩中ギターのチューニングして
いたり、部屋中に響く秒針の音ばかりを
息を潜めて聴いていたり…。（ひねもす）
家人が寝静まり、アイロンがけや繕い物を終えたらやっと
自分の時間。長い夜にしたいことはたくさんある。それでも
とりあえずお香をたいたりお茶を入れたりして、しばらく
ひと休み･･･と思えば子どもが起きてきて･･･。
Mamma mia! Come back, my long night! （安寿）
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「筑波の邪道」
ｎ次元空間